アリオスの好みの食事を用意して
お酒の利いたケーキを1つ
きっと私には食べられないから、甘いケーキもおまけに1つ
きっとアリオスは気が付いているんだろうけど
準備が出来るまでの間
みんなに足止めをお願いしてる
きっとそのついでに貰っている「おめでとう」の言葉
様々な人にお祝いの言葉を貰って
心が温かくなればいい
………そう思っている
たぶん、きっと、みんなのことだから、きっとそうしてくれている。
テーブルの上に幾つかの料理
そして、グラスにワイン。
私も飲めるようなワインだから、あなたには甘いかもしれないしものたりないかもしれない。
そして、それからプレゼントを用意して………
準備はこれでできあがり………よね?
何か忘れていたら困るから、一つ一つ指さしながら確認する
………………
うん、これで大丈夫
後は準備が整ったことを伝えて、アリオスが来るのを待つだけ

少し歩くたびにかけられる声
「誕生日おめでとう」
の言葉
初めのうちは、なんとも言い難い気持ちが沸いてきたが
誰か人の姿を見かけるたびに言われれば、いい加減慣れてくる
今もまた「おめでとう」の言葉に礼を言う
“誕生日”という言葉と
“おめでとう”と言われること
ずっとつきまとっていたネガティブな感情が、ばかばかしく成っている
ほら、また祝いの言葉だ
………それにしても今日はすれ違う奴等が多い
滅多に人のいない場所でまで、何人もの姿を見るってことは………
「解りやすいけどな」
確実にコレはアンジェリークの仕業
また何か、やるつもりなんだろうぜ
どこからともなく現れる人の姿に半ばうんざりしながらもアリオスはおとなしくアンジェリークの作戦につきあっていた

「誕生日おめでとう」
扉を開けた瞬間
満面の笑顔が出迎える。
「ああ、さんきゅ」
アリオスの言葉に、より一層アンジェリークの笑みが深くなる
「誕生日のお祝いの用意をしたのよ」
アンジェリークが楽しげに腕を引く
目に入ったのはテーブルの上に並べられた二人分の食事
椅子に座るように促されて、アリオスは思わず笑い出す
………どうりで、彼奴等の態度がおかしかった筈だぜ
何故か嬉しそうな奴等に
からかいを含んだ態度
それと………
「どうしたの?」
アンジェリークが不思議そうな顔をしている
「いいや、明日が大変だと思っただけだ」
なおも不思議そうな顔をするアンジェリークを言いくるめて………

「改めて、お誕生日おめでとう」
言葉と共に幾つものプレゼントを贈る
ゆっくりとした時間が流れて
………ずっとこの先も同じようにお祝いができるといいな
そうしておだやかに一日が過ぎた
 


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