淡雪
 

ふんわりと雪が舞い落ちる
羽根の様な白い雪
髪に触れ、肩を濡らし、掌でとける
冷たい癖に暖かな感触
辺りを包む良く知った気配
立ち止まり空を見上げる
遙か彼方から届く声
伺うように
気遣うように
ゆっくりと歩き出す体にまとわりつくような淡雪
まるで引き止めるような仕草
そして
―――――
リアルに聞こえるコエに笑いが零れる
帰るか
まだ仕事は終わった訳じゃねえ
だが、今回ばかりは文句は言わせない

帰ってこいっていったのはお前だからな
きっと真っ赤になって否定する少女の姿が思い浮かんだ


 
 
END
 
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