不意にあらわれた人影 その姿に声が零れる 「――――――ス」 正面から向き合う形となった相手が、視線を向け 訝しげな表情をする 記憶にない 知らない相手 言葉にするならばきっとそうだ 「………誰だ?」 当たり、だ 知らないのなら、それでいい 知らないのなら、俺は“彼”の人生の中で存在しなかったということ 俺はただゆっくりと首をふる 何か考えるそぶりをして 「そうか………」 ただ、一言 “彼”もその質問が無意味なものだと知っている ここは、空間を繋ぐ場所、界と界の狭間 “俺”と“彼”は別の世界の人間 こんな偶然でもなければ、顔をあわせることのなかった相手 「それでは、な」
END
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