私室の秘密
 


 
家や部屋、その人物の居場所にはその人の個性が現れる
公の部屋―――執務室―――でもそう
けれどもプライベートな部屋ならそれがより一層顕著なハズ
なんだけど、サ
レイチェルは、入り口に立ったまま部屋の中を見渡す
「ココまで何もナイってのも見事だネ」
収納は作りつけになってるし、家具を置く必要はナイけどサ
家具はベッドだけの殺風景な部屋
生活していれば、モノの一つや二つ置いてあって普通だと思うんだけどネ
「………不自由がナイならイイけどネ」
もっともカレの場合、コノ部屋にいる事自体が珍しいのかもしれないシ?
独り言にも聞こえるレイチェルの言葉に返事は無い
黙って差し出された書類を受け取ると、レイチェルはその部屋を後にした

「アリオスの部屋?」
「ソ、こないだ至急必要な書類貰いに行ったんだけどサ………」
チョットした空き時間
特別に意味があった訳じゃない話題
「あの部屋、モノがナイよネ?」
レイチェルの言葉に、アンジェリークは一瞬不思議そうな顔をして
それから、思わずって感じて吹き出した
「ナニ?そんなにおかしなコト言った?」
レイチェルの言葉に、声を殺して笑いながら、違うと言うように片手が振られる
「アレね、何にも無いみたいに見えるんだけどね」
アンジェリークの手が、レイチェルを手招きする
「ナニ?」
近寄った耳元にこっそりと囁かれる言葉
耳にした言葉に、レイチェルの目が見開かれ
それでも納得したように元の大きさへと戻される
「納得出来なくもナイ、カモ」
「本当にナニも無くてもアリオスらしいかもしれないけれどネ」
でもそれだとチョット寂しいじゃない?
声に出ないアンジェリークの言葉に、レイチェルは同意の意思を返す
アリオス自身がが必要として、揃えたものはそう多くは無い
ケド………
見合わせた二人の目に再び笑みが浮かんだ
 
 

END
 
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