しんと静まった廊下をゆっくりと歩く めずらしく人の気配の無い場所に ずっと昔のことを思い出す 産まれたばかりの原初の宇宙 まだ知的生命体が産まれる前の世界 聖地に暮らす僅かな人 宮殿の中で過ごす片手で足りる程の人 今に重なって見えるそんな遠い昔に足を止める ………あの時は、窓の外に宇宙が見えた 今見えるのは―――
賑やかな人の声 行き交う人の姿 楽しそうに笑う声 名前が呼ばれる 手招きする親友の姿に笑みがこぼれる 見つめる先に有る人々の姿 あの時は比べられない程人が増えた あの時と今では随分変わったけれど
けれど 相変わらずの日常