積み重なる日々
 


 
目を閉じ両手を広げる
身体で感じる宇宙の息吹
さざ波の様に聞こえる命の鼓動
語りかける声に耳を傾け
側を渡る存在へと手を伸ばす
長い時間
けれど短い時間
ただ宇宙の中へと身を置いて
それからゆっくりと目を開く
宇宙の流れが変わる
すぐ側に柔らかな存在が現れる
よく知った気配
大切な私の―――

しんと静まった廊下をゆっくりと歩く
めずらしく人の気配の無い場所に
ずっと昔のことを思い出す
産まれたばかりの原初の宇宙
まだ知的生命体が産まれる前の世界
聖地に暮らす僅かな人
宮殿の中で過ごす片手で足りる程の人
今に重なって見えるそんな遠い昔に足を止める
………あの時は、窓の外に宇宙が見えた
今見えるのは―――

賑やかな人の声
行き交う人の姿
楽しそうに笑う声
名前が呼ばれる
手招きする親友の姿に笑みがこぼれる
見つめる先に有る人々の姿
あの時は比べられない程人が増えた
あの時と今では随分変わったけれど

けれど
相変わらずの日常



 
 

END
 
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