歴史
 


 
「きっちり資料として保存しておきたいんだヨネ」
宇宙の始まりから
成長、進化、歴史
その全てを正確に記録を取りたい
研究者達の中にはワタシの言葉に反対する者はいなかった
政務官達は手間が掛かるコトを理由に一部いやがったケレド
結局は専門の部署を設けるコトで強く反対する者はいなくなった
聖地だけでは無く各惑星へ
惑星単位では無く国ごとへ
国単位では無く―――
ワタシの最終的な目標は、家族単位まで及ぶ記録
マ、現実的には実現は不可能だろうケドネ
デモサ、どうせダシ
「少なくとも公共的な資料は聖地直轄にしておこうか」
確実に正しい情報が集積されて行く様に
レイチェルの言葉に反応は綺麗に二つに分かれた

誰もが知ることが出来る宇宙の記録
正しい知識を得ることの出来る世界
それには正しく記録が成されるコトが必要
都合の良い様に改竄された記録ではなんの意味も無い
ホントは聖地の預かりでも不安は残るんだけどサ
その辺の権力者よりはマシって思いたいヨネ
“今”は問題は無い
ケレド未来がどうなっているかは解らない

「記録をつけるってのは必要だと思うけどな」
アリオスの視線が意味ありげに向けられる
「喧嘩売ろうかと思ったんだヨネ」
向こうの宇宙の………にネ
アリオスの視線が面白がるように細められる
「ソレと、歴史学者の邪魔でもしてみようかなってネ」
「手助けかもしれねぇぜ?」
「それはそれでイイんじゃナイ?」
結局は、ワタシはワタシがやりたいコトをやっているダケ
理由も結果もきっと後から付いてくるんじゃナイ?
「―――記録には取らないのか?」
「どっちでもイイヨ」
笑いながら話した二人の言葉を聞く者は他にいなかった

―――遠い未来―――
“資料庫”の扉が開く
少し癖のある端末を慣れた様子で操作する
すぐに呼び出される情報
「フゥン?面白いコトになってるんジャナイ?」
仄かな灯りの中楽しそうな声が響いた
 
 
 
 

END
 
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