相談

 



星々を見つめる
星の声を聞く
宇宙の声に耳を傾ける
何度も繰り返した行為
いつもと同じように繰り返して
時折聞こえるいつもとは違う声
小さな声に耳を傾けて
その声の言葉を伝える
仕事
そう言われる行為だけれど、
そう呼ぶことは少し躊躇う
当たり前の行動
それが自然な事
ただやるべき事
人が言う“仕事”とはきっと違うもの
頭の片隅で
そんなどうでも良い事を考えながら幾つかの声を拾い上げる
声の内の幾つかは自分で対処できそうな事
すぐに解決してしまおうかと思って、少し考える
勝手にやったら困るかな?
“研究院”にいる人達の顔が思い浮かぶ
彼等よりも、レイチェルが怒るかな?
───きっとアリオスは面白がるんだろうけど
相談してみよう
今でもいいけど、後ででも出来るから
声に背を向けると、その場を立ち去った

宇宙を巡って、聖地に降りる
久しぶりの感覚に身体が少し違和感を感じる
「どこに居るかな?」
話をしようと、よく知った気配を探す
探している気配は3つ
それぞれが居るのは別の場所
「誰に会おう?」
誰に話をするのが一番良い?
誰かを探す訳じゃないけれど、立ち止まって辺りを見渡す
感じている気配は遠いまま
「研究院に、行ってみようかな」
宇宙に関係している所だから、行ってみるのも良いかもしれない
それに、レイチェルが居るみたいだし
少し躊躇いながら、研究院へと足を向けた

「すぐに知らせてくれれば助かるヨ」
突然人型で研究院を訪れたアルフォンシアに騒然となったのはつい先ほどのコト
「勝手にやっても、すぐに話をすれば良い?」
首を傾げて問いかける姿は小さな子供みたいで、思わず頭へと手が伸びる
「そうネ、でも無理はしちゃダメだヨ」
宇宙が示す望み
それを受け取ったアルフォンシアが独力で簡単に解決することができるというのならその方がワタシ達も楽
だけど、そのコトが負担になる様ならソレはしちゃダメ
「わかった」
少し考えてアルフォンシアが頷いてから立ち上がる
「それじゃ、行ってくるね」
「え、ちょっと………」
呼び止める声を聞くこと無くアルフォンシアの姿が消えた

ほんの少し、もう少しあっちに
宇宙に漂うサクリアを動かす
サクリアが望む場所に届いて、望んだ人に吸収される
その様子にアルフォンシアは笑みを浮かべた

END
 
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