見極め



「サクリアを望む声が高まってるケド………」
難しい顔をしてレイチェルが資料を差し出す
資料の中に書かれた文字
ある特定のサクリアを望む声
「サクリアの量はどうなってるのかしら?」
問い掛けながら、私の指は資料をめくる
レイチェルが用意した資料に抜けがあるはずが無いから
「データ的には充分足りてるハズダヨ」
贈られたサクリアの量
観測データに検出されたサクリアの数値
望まれているサクリアの量が足りない訳でも無く
バランスが崩れている訳でも無い
この状態でサクリアへの望みが高まるのは
「可笑しいよね」
「何かが起きてる可能性があると思うんだヨネ」
何か特別にサクリアを求めなければならない事態が起きて居るって事
この望みが良いモノであるのか悪いモノであるのか、見極めなければ結論を出すことは出来ない
「少しの間、この星域へサクリアを贈らないようにしてもらえるかしら?」
サクリアの数値に極端な偏りがあるのならサクリアをストップするのはまずいけれど
今のこの状態なら、バランスを崩す方がきっと良くない
「オッケイ、守護聖サマガタには伝えておくよ」
伝える間考えを纏めておいて
そう言い置いて、レイチェルが早速通信機へと向かう
「解ったわ」
って言っても、やるべき事は決まっている
なぜそうなったのか原因を調べる事
それから、その内容に応じてどうするのか考えなければならない
だから決める事は───
誰かと話を始めたレイチェルの声を聞きながら考える
どうやって調べるのか
それと“誰”が調べるのか、よね
候補者はいろいろとある
調べる手段もいろいろとある
「うーん、とりあえずアルフォンシアかなぁ?」
大きな異変があるのなら、アルフォンシアが気づいて居るはず
それは一つの目安になる、よね?
レイチェルの視線が向けられる
それに笑って頷いて歩きだす
「何処に行くの?」
問い掛けながらついて来るレイチェルに、私の考えを伝えた

さっとサクリアが贈られる
望まれたサクリアが贈られる事もあれば
それとは全く違ったサクリアが贈られる事もある
人の望みは様々で、全ては調査の結果次第

END
 
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