「誕生日おめでとう」
不意に掛けられた言葉に、レヴィアスは振り返る
「今日はあなたの誕生日よね」
振り返った先には女王の姿
「そんないやな顔をしないで」
明るく言うが、
「誕生日、などというものに良い思い出は無いのでな」
誕生日などという日は決してめでたい日ではない
むしろ、不愉快な思いをすることの方が多かった
「そう?」
女王は眉根を寄せ、難しい顔をして考え込む
「………そう、なのかも知れないけど」
レヴィアスを見てふわりとほほ笑む
「でも、今日という日にあなたが生まれてこなければ、こうして出会うこともなかったわ」
小さな手が、レヴィアスの手をそっと掴む
「だからおめでとうって言わせてね?」
そっと首をかしげる姿に、レヴィアスは自然に笑みを浮かべる
「………そこまで言うのならば」
祝われてやっても良い
レヴィアスの言葉に、呆れたような顔をする
「あなたって、本当に素直じゃないわね」
溜息交じりに女王が言う
「それじゃ、行きましょう」
レヴィアスの手を引き、広間の方へと歩き出す
「………どこに行くつもりだ?」
何をするつもりだ?
レヴィアスの問いかけにアンジェリークがほほ笑む
「大丈夫よ、あなたが嫌がるようなことはないから」
「………信じよう」
安心させる笑みで微笑まれると、そう応える以外にすべはない
「さ」
女王の手で扉が開かれる
「皆にお祝いさせてね」
扉の内側に、守護聖達が集まっていた
 


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