ユキ


雪に見立てた白い羽が空から降る
瞬く星の中に降る偽りの雪が少し可笑しいような
とっても神秘的なような
複雑な感情を抱かせる
そっと、白い羽根を受け止めて、隣に居る彼へと
覚えてる?
一言だけ、問いかける
彼にはコレで充分通じるはずだから
……ああ
帰ってきた返事は、想像したのと全く同じ
そっけない言葉
可笑しいかな?
それでも、それだけで嬉しくなる
ちゃんと覚えていてくれたから
ちゃんと判ってくれるから
だから、その気持ちのままに笑いかける
一瞬驚いたように見て、視線を逸らす
ちょっとっ
あんまりな態度に、腕を引っ張れば
何か諦めたようなため息
お前な………
何よ?
いつもと変わらないやり取り
けっして本気じゃない言葉の応酬
たわいない事が楽しい
些細な事が嬉しい
だから、怒りなんて続いた試しがない
吹き上げる風が、羽根を舞い上げる
目の前が白く染まる
わぁ……
目を奪う光景に上げた感嘆の声
綺麗ね
そう言ってアリオスを振り返ると、優しい笑顔を浮かべていた
 
幸せだね
何て事のない日常が
こうやって過ごせる事が
すごく、幸せだね

 
END
 
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