巧妙な仕掛け


 
自業自得だとか
自分の首を絞めるだとか
今の状況はどうやら極めてそいつに近い状況らしい

ちょっとした手助けだとか、見かねて手を出したとか
まぁ、力を使ったのはその程度の認識だ
だが、その力を使った事がまずかったらしい
って事に気が付いたときには、戻ろうと思えば戻れるが、後戻りするには少しばかり躊躇われる
そんな事態に陥っていた
迂闊な事に初めは気が付いてはいなかった
が、親切な奴等が、俺の身に起きている出来事をわざわざ伝えてくれた事で状況は一変した。
“自分の事なんてのは、案外自分が一番良く解っていない”
どこかの誰かの戯れ言を、まさか実感する羽目になるとは思っても見なかったぜ
伝えられたことで気が付けば
何故今まで気づかなかったのか疑問に思うほどの変化
異質でいて、同質な力
自分以外の奴等のおかげで良く知っていた“サクリア”という特殊な力
自覚さえすればこの身に融け込んだ力の変化を嫌になる程感じた
使用する事によって深く根付いていく性質
“サクリア”とは異質の力を使ったはずだというのに
力の境が解らなくなっている
見事だとほめてやりたいくらい巧妙な仕掛け
「ったく、冗談じゃないぜ」
ため息混じりの声をかき消すように、賑やかな集団の声が聞こえた


 



 

END
 
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