あがき


 
最後の抵抗
そんな言葉が脳裏をよぎる
以前の姿を取り戻していく小さな世界の中で
思い出した様に蠢く“敵”の存在
ラ・ガと呼ばれる悪意に満ちたもの
己の支配する場所がなくなることへの危機感だろうか?
次第に抵抗は強くなる
当然だ
抵抗しなければ自分の存在が危うくなる
危機を感じれば感じるほど抵抗が強くなるのは当たり前だ
より一層の警戒が必要
必要、なんだが………
わかっているのかいないのか、あいつらは相変わらず、いや今まで以上にのんきだ
ま、極一部のやつらは警戒を強めてはいる様だ
空に向けてひとつの力が放たれる
アンジェではない“女王のサクリア”
この特殊な空間を守るために放たれる守りの力
………力が弱まっているな
特殊な空間
特殊な事情
そして“敵”の存在
補給されることなく放たれる一方のサクリアは、そろそろ限界に近付いている
救いは“敵”があっちの女王にまでちょっかいを掛けるほどの力が残っていないことだ
通常の戦いならここで攻めるべきだろうが………
アリオス自身の力は、ラ・ガを倒すための力にはならない
むしろ活気づける結果になりかねない
ラ・ガを倒すためには今がチャンスだが、倒すための力を所持するのは2人の女王だけだろう
………ああ、もしかしたら守護聖の力も役にたつかもしれないな
だが、やはりこの場合はメインになるのは女王の力
向こうの女王がこの通りであるのならば、アンジェ以外にやるやつはいない
「………まあ、補佐官の力は助けになるだろうな」
アリオスは空を見上げて力を解き放つ
“敵”へと向けて放つわけではない力
初めて、意識して送る力
世界へと“女王”へと向けた力
“守護聖”と呼ばれる者たちと同じ力の使い方
アリオスの中から力が小さな世界へ向けて溢れ出していく
魔導の力とは違う力
いやになるほど強く感じる“サクリア”
かつて触れたことのあるどのサクリアとも違うものがアリオス自身から放たれていく
今までよりもより自然に、力が溶け込んでいく
「………なるほどな」
強いサクリア
既に体内にある力は自分がどんな存在なのかいやになるほど感じさせる
かすかな舌打ち
この状況で運命が決まっていないなんていうのは嘘だろう
だが、まあ今は………
アリオスはまとわりつく力の残滓を振り払う
優先するべきことはこの状況を打破することだ
 
 
END
 
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