告白


 
アルカディア
未来から来た惑星
未来から来た人々
ここは未来に続く大地
確かにこの場所は遙か未来に繋がる場所
私の宇宙の結末が目に見えて解る場所
だけど………
未来は一つじゃないと思うの
ここにある未来の姿は、これから私が歩む未来では無いかも知れない
無数に存在する中の1つの姿
1つの未来が辿り着いたもの
アルフォンシア―――
あなたには、その通りだと言って欲しいの
ごめんね、1つだけの決まり切った未来なんて、私にはいらないの

約束の地
いつも貴方がいる場所で、今日は私が貴方を待っている
背中に触れる木の幹の暖かさを感じながら、どこからか来るはずの貴方の姿を探している
今日は貴方に伝えたい事がある
いいえ、伝えなくてはならない事がある
本当はもっと早くに言うべきだったのかもしれない
けれど、今だから
今言わなくては、機会が無くなってしまうから
静かにアリオスが現れる
まっすぐに私の方へとアリオスが歩いてくる
私は両手を握りしめて緊張している
アリオスが口を開くよりも早く、私は彼に感情をぶつけた

力を貸して、そうお願いするのは、そんなに難しい事じゃない
事実、アリオスは守護聖様方の説得で、力を貸してくれる事になった
だけど、
私はアリオスに力を貸して欲しい訳じゃない
私はただ、
“傍に居て”
ずっと、私の傍に居て欲しいだけ
あの時からずっと好きだった
今ももっと好き
私には“力”なんて関係ないし“運命”なんてどうでも良くて
ただ、傍に居て欲しい………
ううん、ただ貴方の傍に居たい
“力”なんて無くて良い
“協力”なんてしなくて良い
“王のサクリア”も何も無くて良いから
―――貴方が必要ないというのなら全部私が引き受けるから
ただ傍に居て欲しい
もう二度と居なくならないで
私が望むのはただそれだけ
だからね、未来の姿なんていらないの
アリオスから感じるサクリアなんていらないの
この地が私の宇宙の未来に繋がらなくて構わない
決められた未来なんて、この世には存在しないのよ
私はそう思っている
そう、思っていたい

「アリオス、私、貴方を愛しているわ」
声が震えた
ただ、私の気持ちを知っていて欲しくて
貴方の力が必要な訳じゃないと、知っていて欲しくて
言葉にして、それだけを告げておきたかったの
もう、後悔はしたくないもの
私は貴方が好きだった
ずっと、ずっと好きだった
けれど今は、それ以上に私は貴方を愛している

アリオスが目を見張る
長くて短い時間が過ぎる
全てが凍り付いたような時間が過ぎて
アリオスの唇が小さく動いた
 

END
 
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