対策会議


 
追いつめている
おかしな霧に覆われた土地は後少し
霧で覆われた土地が向こうの勢力区域だというのならば、この状況は確実に相手を追いつめている
「注意が必要だな」
アリオスの言葉に頷いたのは、少しは戦いを知る者
他の者―――年少者―――は訝しげな顔をする
残った少しばかりの霧を払い
封印された存在を解放する
そこまで持って行けば、ほぼこっちの勝ちだ
逆にあの存在を封じ込める所まで持って行く事が出来るだろう
情報の少ないこっち側で予測を立てる事が出来る事態だ、当然向こうもそんな事は百も承知だ
「抵抗してくるぜ」
それこそ命がけで、全力であらがってくる
「まずは“封印”を解くことだな」
「そう、だな」
歯切れの悪い言葉に、アリオスは辺りを一瞥する
様々な表情と感情の中に、疑いや嫌悪と言ったモノは見受けられない
「なんだ、漸く真相に行き当たったのか?」
アリオスの言葉に、抗議と不満の言葉が返ってきた

アルフォンシア
宇宙の意志、宇宙そのものとも言える存在
“女王がいなくても―――”
以前、教えて頂いた言葉
“聖獣”
女王や守護聖といった存在よりも、宇宙が宇宙として存在するのに不可欠な存在
未来の宇宙で何が起こったのか
何が起きるのか
私達は知らない、解るはずもない
けれど
宇宙を元の形へと戻す事
封じられたアルフォンシアの解放
遠い未来の宇宙から託された願い
封印を解けば全てが終わる訳ではない、と思う
解いたとしてもまだラ・ガは存在している
ラ・ガ、何者なのかは良く解っていないけれど………
アンジェリークの身体が微かに震える
強い悪意
ラ・ガから感じるのは感じるのはそれだけ
「―――ダイジョウブ?」
小さく囁かれたレイチェルの声にアンジェリークは我に返る
「大丈夫よ」
ラ・ガに対抗するための、ここから帰る為の話はまだ続いていた

「絶対に近づくな」
あの場所へ
この地の力場となっている場所
2つの存在がいる場所
近づいた時に勢力を保っているのがアイツなら問題は無い
だが、今の状況を考えれば、多少の無理をしてでも出てくるのはあっちの方だ
“近づくな”という言葉に幾人かが不満そうな顔をする
危険だという意味がわかってはいないんだろう
知らない奴に、言い聞かせたところで理解する事は無いだろう
おとなしく話を聞いたとしても持続するとは思えねぇ
要注意だな
口うるさく注意をする声を聞きながら、アリオスは密かにため息を吐いた

END
 
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