懐かしい記憶と感覚


 
強い感情が目の前を過ぎる
その幾つかはどこか懐かしいと感じさせるモノ
そして、幾つかはとても良く知っているモノ
目覚めてすぐには、私は私の事が解らなかった
あやふやな自我
曖昧な記憶
目覚めてからすぐに私の近くは不思議な力が通り過ぎ、取り囲み………流れ込んだ
周囲に溢れていく“力”に感じた不思議な感覚
そして、懐かしさ
なぜそんな風に感じるのか、始めは解らなかった
けれど
ゆっくりと取り戻されていく記憶
遙か遠い時間
“思い出”へと変わっていた大切な人達
まだ戻りきってはいない力と完全ではない記憶を抱えながら
遠く懐かしい人達の姿をそっと垣間見る
私が知らない時間
記憶には無かった彼等の姿
それでも
私が知っている彼等の魂を持つ人たち
いずれ、私が知る人たちへと繋がっていく人たち
幾つかの行動
幾つもの言葉
差し伸べられた手
そして、向けられる感情
―――感情も目覚めてから随分と変化した
私へと向けられた好意的な感情
柔らかで穏やかな、心地よい感情
仕方がない、と苦笑する存在
力が巡り
記憶が戻る
ここは、過去の時間
様々な世界から切り取られた奇跡的な世界
“敵”の存在を思い出すのと同時に
この小さな世界が置かれた現状が見えてくる
巻き込んではいけない
彼の人たちを正しく元の時間に帰さなければ
―――世界が、私の知る宇宙が無くなってしまう
追いつめられた“敵”が私を封じようと手を伸ばす
私はその手をかいくぐり―――

もうすぐ決着が付く
その決着がどんなものとなろうとも、懐かしい人たちを無事に………
 

END
 
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