これから


 
「往生際が悪いなぁ」
呆れたような声
同意するように頷く人々
不意に背中に触れる暖かな温もり
振り返った先で、柔らかな笑顔が見えた

「とりあえずは、終わりだな」
ラ・ガという存在
未来のアルフォンシア
彼等が未来から来た存在だということは、遠い未来にラ・ガという存在は現れるということ
遠い未来、彼等が帰った先にしか結末は存在しない
「ま、二度と会うことは無いと思いたいな」
「そうね………、きっと大丈夫だと思うわ」
少し考えるそぶりをし、女王が笑って断言する
「断言しちゃっていいのかナって、気もするケド」
女王達を囲む守護聖達から少し離れた場所で、アンジェリーク達3人はその様子を遠巻きに見る
「遠い未来のことは解らないけれど………」
「すくなくとも、この場所が助かったのは間違いない」
アリオスの言葉に、レイチェルが空を見上げる
「脅威は去ったケド、助かったとは言いがたい状況なんだヨネ」
宇宙と宇宙の狭間
この地が存在していたのは不安定な世界
「でも、私たちの宇宙に戻ることは出来るわ」
アルフォンシアが未来へと帰った瞬間、切り離されて居たこの宇宙はつながった
「きっと、みんな心配してるヨ」
始まりは、声が聞こえたこと
いつの間にかこの地に居て
………レイチェルの話によれば、私が突然姿を消したってことで騒ぎになっていたみたい
私が気がついたときには、レイチェルもここに来ていたから
きっとレイチェルも、突然聖地から姿を消したんだと思う
「そうね、アルフォンシアも待ってるわ」
それとも、アルフォンシアは何が起きているのか知っているのかしら?
「ソウダネ」
レイチェルが、アリオスへと視線を向ける
反射的に伸ばした手が、一歩足を引いたアリオスの腕をつかむ
「………アリオス」
「そろそろサ、認めちゃってもイイんジャナイ?」
おんなじ様に、アリオスを捕まえたレイチェルが呆れたように呟いた

「論争を続けるよりも、さっさと連れ帰ったほうが早いんじゃないかい?」
「連れ帰るにしても、ある程度の納得は必要だろう」
視線の先には、アンジェリークを初めとした複数の人に囲まれたアリオスの姿
「無理に連れて行っても、すぐに姿を消しそうではあるけどね」
面白がるような口調は、そうならないことを確信しているかのようだ
「時間の問題だな」
輪の中心に居るアリオスは明らかに押されている
遠くから明るい笑い声が聞こえた
 
 

END
 
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